僕らの現状として

こんにちは、皆さん。
僕は刺龍堂というスタジオで、彩纏絵師(さいてんえし)をしているRONといいます。

僕は元々、考古学の仕事に携わっておりました。そこから海外遺跡などを中心にめぐる旅をし、その中でTATTOOと出会いました。僕の行う”彩纏SaiTen”というのは、これまで学んできた人類の歴史、旅の中の色々な国々で出会ったTATTOO、それを自分なりの解釈で始めたものです。

今、僕は非常に困った状況下に置かれています。いや、僕だけでなく、日本の伝統的な刺青、タトゥー、アートメイク、ボディピアスなど全ての人達が同様に危機的状況化にあります。

なので、この話は出来るだけ大勢の人達に聞いてもらいたいです。

幅広い話になるとまとまらないので、先ずは刺青、TATTOOに絞って話をさせて頂きます。

まず、これまで長い間、日本ではこれらのものがグレーゾーンでした。

僕が日本に帰国し、開業しようとした際、彩纏だと前例が無いので、刺青及びTATTOOとして厚生労働省、役所、保険所、に問い合わせしたのですが、「どこが管轄か分からない」「登記するカテゴリーが無い」「法的に違法ではないけど、問題が起きたら取り締まりの対象になる」「針を扱うから針灸師の資格がいる可能性がある」などと言われました(そもそも、そういった前例、問い合わせが無かったとの事)。
そして「もし日本で開業するなら、問題ないようにやって下さい」と言われました。

そうです。「18歳未満への施術は禁止」という法律は存在していましたが、それ以上、踏み込んだ見解が無かったのです。

そこで僕は「問題が起きてからでは遅い。この状態でやりたくは無いから、ライセンス制なり、TATTOOの為の法整備をしっかりしてほしいです。」と伝えました。
その後、ある政治家にも働きかけてもらいました。しかし、まとまった組織であり、大勢の人達の賛同がなければ難しいだろうと言われました。

僕らの業界は医療業界のように、大きな団体で資金があるわけではありません。
僕は一人、それを訴え続けてきましたが、状況はまったく変わりませんでした。むしろ、無秩序状態で悪化していきました。

それから10年が経過。

昨年、大阪の彫師の人達が逮捕されました。

これは僕の見解ですが、本来は恐らく別件の問題だと思うのですが、実情としては「刺青を医師の資格無く彫ったから」だそうです。以前は針灸師の資格でしたが、今は医師免許が必要だという見解のようです。刺青、TATTOOというのは「アート」というより、「治療行為」という見解なのでしょう。

そして今、現在、大阪の多くのスタジオが閉鎖に追い込まれたと聞きました。

医師が病院で彫る以外は認められない。
また、医師以外が彫る事を教える事も出来ない。

しかしながら、医大に行っても勿論の事、刺青、TATTOOの事は学べません。マシンの扱い方、彫り方など教えてくれません。ましてや、絵の描き方など勉強出来ません。

では一体、どうすれば良いのでしょうか?
医師は医師を目指し、彫師は彫師を目指すのではないでしょうか?

確かに使用するもの、行為等、無資格、無許可で良いはずがありません。
アルバイト感覚で休日に彫るなども横行してますが、それが許されていいはずがありません。
しっかりとした国家による厳格な管理体制で、やるべきはずの事です。
自宅で無許可でラーメンを作って店のように出しても不特定多数の人達が来ないように、気軽にやって良いはずのものではありません。

しかし、今、刺青、TATTOOに対して、正面から向き合ってこなかった結果、斜め後ろからの角度で問題が起きたのです。

「こんな狭い路地で事故は起きないだろう」と思い、標識も信号もない状態、通る人達も何も気にせず突っ込んでいき、いつの間にか交通量が増え出合い頭の事故も増える。
そこで「もうそんなに面倒なら、道路をそのものを封鎖しちゃおう。そこを通る人に道が無くても関係無い」という状況です。「信号を作って横断歩道を作ろう」という発想ではありません。強いて言うなら、「スピードが出る高級車買える人ならいいよ」という状況です。細い路地で、誰も走らないだろうに。

数年前から日本では公共のビーチで刺青、TATTOO禁止のところが出てきました。
ジムは通えません。プールも入れません。温泉も入れません。会社や公務員の場合、解雇のところもあります。

数年後、東京でオリンピック、パラリンピックが開催されます。
その時には多くの海外の人達がやってくるでしょう。

でも、7割以上の人達が日本人も外国人もTATTOOが入っている人間は温泉に入れるべきではないという回答をするアンケートもあります。

そこには日本の古い歴史も大きく関わってきますが、全てまとめてダメだという状況を危惧しています。
刺青、TATTOOというのは、人類の最古の歴史の一つです。
日本にはそんな文化は無いという人が大勢いますが、江戸時代、世界でも類を見ないほど、その文化が栄えました。その歴史は、更に古い時代にまで遡れます。また、琉球やアイヌにもその伝統文化は受け継がれていました。世界に誇れる文化の一つだと思います。

それをもし、全て無くそうという事になるとすれば、それは人類の歴史を否定するようなものです。
何より無くならず、アンダーグランドに潜り込む事になるでしょう。

状況的には、先に書いたボディピアスやアートメイクなども同じです。

僕はこの道で生きていこうと決め、これまでずっと歩んできました。職人の仕事なので、生半可な気持ちではやっていけません。
もし、今後、しっかりした法整備がされないまま「アートではなく医療」という見解が続くのであれば、僕には”これしかない”という、この生きる道も、目的も見失ってしまいます。死刑を宣告されるのと同じです。

なので、この状況の改善を切に望んでいます。

僕のように一切、暴力団と関わりが無い人達だって沢山いるはずです。
薬物と一切関わりない人間だって居るはずです。
ウチにいらっしゃるお客様はその大半が海外からですが、その中には医師、大手企業の社長、銀行員、パイロット、アーティスト、科学者、教授、誰もが知るブランドのデザイナーなどだっています。
日本だけでなく、各国の普通の人達がその人達の商品を使ったり、その会社の車に乗ったり、曲を聴いたり、日常的に使ったりしているわけです。日常的に関わって生きているのです。

そもそも、僕もその人達も、入れる事でアウトローになると考えてはいません。

だから、何もかも全てを日本の歴史から消し去るというのは、余りに厳しい。
皆と同じように、僕も、僕らにも同等に生きる道、生きる権利が欲しいだけです。
また、入れる側の立場として、同時に入れている人達の権利を守りたいのです。

もしこれを読んだ人達の中に、同じように感じる方がいたら、何か考える人達がいれば、シェアして頂いて構いません。
是非、今のこの日本の状況を、世界中のより多くの人達に知って頂き、変えていきたいのです。

この仕事に携わる人達、また入れている人達、その家族、友人、その誰もが安心して暮らせるように。

宜しくお願いします。
そして、最後まで読んでくれて、ありがとうございます。

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