アジアを紡ぐ旅

刺龍堂というスタジオは、アジアとの関わり無しでは語れません。
アメリカやヨーロッパから見た目線とは違う、アジアからの目線で、この先の時代へとアジアの国々を紡いで行くという目的があります。
古き良きアジアを訪ね、伝える義務があります。
同時にアジアの中の「日本」というものを、発信していく義務もあります。

僕はそんな今後に向け、ずっと中国を含め、東南アジアの流れを見ていますが、この10年、15年の間は特に、その成長ぶりには目を見張るものがあります。

物価は跳ね上がり、街は近代化し、人々の生活は豊かになりました。
昔はhotmailなどでやり取りしていたのに、今ではiPhone同士でラインやその他のアプリで瞬時にやり取りするようになりました。
言葉も通じなくてもどかしい事がありましたが、今はトランスレートのアプリもあるので、瞬時にやり取りが出来ます(勿論、仕事では難しけど)。車なんて、夢のようだったのに、僕と同じ時期に仕事を始めた連中が、今や僕より良い家に住み、良い車にのっています。

また、これまで韓国の影響など殆ど感じなかったのに、今や、韓国の有名人たちを好きなコ達が増え(携帯に画像が保存されてる)、韓国製品が溢れ、その影響力の強さを感じます。日本のアニメも相変わらず人気で、至る所で見掛けます。
そのお陰で、僕らのまるで違った価値観が近づき、ある意味、便利で理解し易くなりました。

これまで日本で多くの人達は、「東南アジアが日本を追い越す事なんて無いだろう」と言っていました。
しかし今、シンガポールなどは日本を飛び越えていきました。
今後はタイやインドネシアなどもそれに続いて、いつかは逆転する日がくるのでしょうか。
今回の僕のアジア滞在でも、円高の影響も手伝って、「アジア=安い」というイメージは完全に崩れ去りました。全てにおいて、結構な値段になってしまっているのです。

その物凄い速さでの近代化に伴い、ある種の歪みが生じているなと感じる事も多々ありました。
まず、特に都会の人達の目線が「お金」というものに執着しているという事。これまでのアジアでは、人の温かさや人情というものが息づいておりました。
それが最近のコ達は、まるで人種が変わってしまったかのように、僕の知っている人達とは違っているのです。
特に富裕層は歴然。その目線は海外のセレブリティに憧れ、格好や生活もその方向へと向いている。物質的な欲望が中心になっているのだなぁと実感しました。
ただ、その全ての人達に富が行き渡るわけでもない。

かつて中国の田舎は犯罪も無く、旅人を大切に持て成す文化がありましたが、この10年、15年の急速な近代化で、都市部と農村部の格差が生れ、田舎に行く程に危険という状況が生れてしまったと聞きます。しかも犯罪の手口がえげつない程で、そういった話を聞く度に、とても悲しくなります。
タイなどでも、田舎の方までお金というものが入り込み、昔の良さは影を潜めつつあります。(バリ島は何故か、この東南アジアの流れとは少し違う)

しかし、今はまさに思春期のようなものだと思うので、成人した時に、このアジアの国々もまた変化する事でしょう。

僕は今年もまだ幾度か、このアジアの国々に行く予定ではありますが、来年には改めて、中国(云南)-ラオス-ビルマ-タイという東南アジアの最深部に来訪予定です。先の旅でやってきた事を更に推し進めて参りたいと思っております。
それにしてもビルマに関しては、開国の時、以来の訪問。あの時は外国の文化が一切遮断されていたから、お互いに何もかもが新鮮だった。
しかし今は「アジア最後のフロンティア」として世界中が注目し、喰い尽くそうとしている時。恐らく、その全てが全く変わっている事だろう。
そこに興味もありつつ、心配な事でもあります。

そんな激動のアジアの中で、刺龍堂として出来る事、僕が関われる事、そしてやりたい事。毎日、毎日、沢山の事を吸収しながら、このアジアで生きていきたいと思います。

人生という旅は、本当に長い道のりだが。

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